虹色ミラクル
雨降りジメジメ午後一時
能天気に見上げられないよね
赤い傘の下で濁った水溜りをみて歩いた
憂鬱な雨雲のように私も灰色みたいで
誰か虹色をください
思うことすら烏滸がましく想える
ああ、晴れろ!
雨雲よ去れ!
角ばった石ころ蹴って頬を膨らませる
一色アンバランス
虹色は奇跡的に訪れない雨上がりのまぼろし
晴れることも忘れた悪天候の季節に祈ることは難しい
雨降りザーザー午後二時
お手軽に落ち込めないよね
オレンジの屋根の下涙する笹の葉をみていられない
陽を閉じる雨雲のように私もモノクロみたいで
誰か虹色でいてください
思うことすら苦くてため息溢れる
ああ、晴れろ!
雨雲よ去れ!
書ききれなかった試験の答案用紙丸めて瞼を閉じる
二色トラブル
虹色はお気楽に生きてる雨上がりの優越
晴れることを諦めた雨雲の雫に幸福は信じられない
雨降りポツポツ午後三時
単純に見つめられないよね
黄色の地下室に漏れる雨粒を聴いて笑った
霧散する雨雲みたいにグレーな私ですらも
誰か虹色をください
昔の思い出が今の私には眩しい
ああ、晴れろ!
雨雲よ、去れ!
傘が億劫になったのはいつの頃からか
三色メランコラリー
虹色は消失を誘う蜃気楼
晴れることを忘れた雨雲に奇跡はいらない
雨降りしっとり午後四時
ほど遠く懐かしいよね
緑のカーテンを揺らす雨風がやさしく感じた
降り続けた雨雲のようにネズミ色な心情
誰か虹をください
亜麻色のアルバムを抱き締める
ああ、晴れろ!
雨雲よ、去れ!
雨はなんだか心地良いね
四色フラワー
虹色は手が届かない天然の絵画
晴れることなんて必要なかったね、雨雲さん
雨降りトントン午後五時
なんていうか慣れちゃったね
青色の湖を跳ねる雨粒の愉快なダンスが心地よい
止む事のない雨雲のように薄暗い私のことを
誰か虹をください
娘がくれた虹の写真は美しい
ああ、晴れろ!
雨雲よ、去れ!
雨は降り続けてもいいんだよ
五色フォーエバー
虹色は愛らしい子供たちの結晶
そろそろ晴れてもいいかなって雨雲、考えるんじゃない? 余計なお世話? ふふ。
雨降りしとしと午後六時
これからも降ってくれるのよね
藍色の町並みに人通りは絶えなく虹色の傘
嫌われた雨雲のように鈍い私の詩を
誰か虹をください
俯いた貴方の傘に届けてもいいかしら
ああ、晴れろ!
雨雲よ、去れ!
雨粒に撃たれてもいいんじゃない。
六色カラー
虹色は雨にうたれた星に咲く夢の花
雨が降らなければ虹は出逢えないって素敵よね
雨降りジャッポンジャッポン午後七時
雨が気持ちいいわ
パープルな人々が遊ぶのよ雨が降り続ける限り
最高の雨雲のように雲のような私たちを
誰か虹をください
この雨冷たくて悲しくて涙流している
ああ、晴れろ!
雨雲よ、去れ!
泣いているときぐらい落ち込めばいいじゃない。
七色サニー
虹色は泣いたり笑ったり怒ったりするもの
雨も晴れも曇りも虹色だって生きている。力いっぱい遊ぼうね
Girl,grad the rose now.
安息を
儚く散った春の巡礼
眠る湖の岸辺
音楽と詩で抱きしめられるならば
ギターと口笛を町風に乗せて
リズムは続いていくのにな
時は金なり
始まりあれば終わりあり
諸行無常の響きを留めたくて走り出した女郎共よ
冷めたビールを頬につけて昨日の傷に鍵を掛けた
物語未満を語りたくて堪らないだろうに
Boys be ambitious
君に大空は似合わない
命短し恋せよ乙女
世の中はくだらない男で溢れすぎている
Girl,grad the rose now
乙女よ無常に染まるな胸を張り進め
Girl,grad the rose now
耽美は君の胸の中で咲いている
盲目に光射す方へ歩め
笑う門には福来る
喜びあれば悲しみあり
喜怒哀楽の幸福を逃さないと膝をついた女郎共よ
冷えたみそ汁を娘に飲ませ昨日の傷に蓋をした
感傷未満に浸りたくて堪らないだろうに
Boys be ambitious
君に大空は似合わない
命短し恋せよ乙女
世の中はくだらない男で溢れすぎている
Girl,grad the rose now
乙女よ無常に染まるな胸を張り進め
Girl,grad the rose now
耽美は君の胸の中で咲いている
盲目に光射す方へ歩め
Even if I knew that tomorrow the world would go to pieces, I would still plant my apple tree.
我はここに立つ。他になしあたわず。神よ我を救いたまえ。アーメン。
明日は明日の風が吹く
人生重ねて花が咲く
青天白日、天然を欲しいままに祈り捧げる女郎共よ
痛んだ林檎を口に含み昨日の傷を食い尽くした
露悪な罪を忘れたくて堪らないだろうに
Boys be ambitious
君に大空は似合わない
命短し恋せよ乙女
世の中はくだらない男で溢れすぎている
Girl,grad the rose now
乙女よ無常に染まるな胸を張り進め
Girl,grad the rose now
耽美は君の胸の中で咲いている
盲目に光射す方へ歩め
安息を
傷、絆、病、砂、雪
苦しみ果てる冬の密葬
雪に埋もれる
音楽と詩で慰められるならば
ギターと口笛を木枯しに乗せて
リズムは続いていくのにな
僕の町を守るのだ
僕の町を守るのだ
頭にヘルメットを被って、ピストル持ってヘンテコな奴がやってくるのだ
暗雲が町に攻めてくるのだ
生命を賭けて守らなければならない
家計を棄てて戦わなければならない
お腹が減っても闘うのだ
戦争なのよねこれ
おじいさん、おばあちゃんお通りなさい。子供もね
あの兄さんは怪しい
あの姉さんは怖い
僕は町を守る
これは戦争だから
戦わなければならない
僕一人でも拳を突き上げる
身を滅ぼすまで闘い続ける
これは戦争だから
僕は町を守るのだ
たとえ僕しかいなくなっても
町が敵の手に落ちても守るのだ
知り合いが消えても守るのだ
戦争は続いているのだから
星座
あれはデネブアルタイルベガ
星の名前をいくつしっている?
町の群衆のように有象無象
地球ぐらい覚えてやってくれ
親友ぐらい救ってやってくれ
朽ちる魂を生かしてやってくれ
雪の町でマフラーを編む季節
豊作な季節、耕す季節
求めれば気分によって人生甘辛なパラダイス
目の前の弟が餓死しているぞ
苦悩の日に見上げれば月は綺麗やった
世界が夕日に染まりきりましたなんてご冗談でしょ。
打ち上げ花火ばかりの人生は職人とマニアだけにしてくれ
俺は春夏秋冬に生きていくから
何もかもが似たような星なんてご冗談を
光る星ありゃ屑星もあり、有象無象を描いて星座
光明はそれでもう十分お腹いっぱい
もう私を生きてくから、騙りは十分だから
だから見つめられないことを嘆かないで、星よ
名を知られぬことを恥じないで
君は見上げられたときに求められればいい
咲いた 咲いたら
花は星が愛する季節を選ぶのに
冬に産まれる君は変わっているよね
痛くて辛くてむなしい季節に
花咲く君は笑えるのかい
誰もが羨む暖かい日差しを受け止めて枯れたくはないのかい
冬なんてきらいだ
生き物はみんな眠っているのだよ
星が眠る季節に君は咲いてしまうんだね
咲いた 咲いたら
君の昼にこんにちは
咲いた 咲いたら
冬の花のように
雪は人が愛する大地を護るのに
冬に馴染んだ君は変わっているよね
やさしい寂しい孤独な季節に
雪破る君は笑えるのかい
誰もが期待し寄り添う未来を受け止めて産まれたくはないのかい
冬なんてきらいだ
生き物はみんな眠っているのだよ
星が眠る季節に君は咲いてしまうんだね
咲いた 咲いたら
君の昼にこんにちは
咲いた 咲いたら
冬の花のように
冬に咲くからと
花は傷つくの
春から離れると
一体誰が決めたの
花は雪に隠れて咲いている
誰もが眠る冬を飾っている
季節は巡る
生命が知らない日々のなかで誰か笑い悲しむ
刻には仲間外れにされた生命が孤独に冬に軋む
雪に胸を破られそうになって
君と出逢うんだ
咲いた 咲いたら
君の昼にこんにちは
咲いた 咲いたら
冬の花のように
冬に紛れ込んだ旅人は春まで生き残らないだろう
冬の花を春は知らない
春と夏と秋は冬を知らないだろう
冬の花は巡るたびに孤独に咲く
それは孤独の友を救う凛々しい美
咲いた 咲いたら
冬の花よこんにちは
咲いた咲いたら
冬の花のように
S.O.S
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
うるさい。私は自宅二階自室の窓から雲をみていた。青い空。空気の摩擦で、悪い存在に消されなかった雲は海から山をいくつか越えて盆地に属する私の上空にその姿を見せる。
本当にうるさいのだ。別に私は雲をみなければ首を吊って死ぬような性癖を携えているわけでないし、みなければならない使命も現在携えていない。それでも私はぼーとベットにお腹を出して寝転び窓を通して空が目に映っている。ぼけーとした空。
なんの意味がなくとも、そのような時間が自分にあることで私は満足する。とっても大切。それなのに先ほどから私の頭には雑音が響いている。邪魔。私は立ち上がり一つモノを声に出したいと考えたんだけれども、この声の主など存在せず私の頭の中で響いているだけだ。
私は叫ぶ。スプリングの入ったベットを叩く。この気持ち、暴力をふるいたい気持ち。反発の感情、一体どこに持っていけばいい?
私は相手など存在しない反抗的態度に浸かることがむなしくなりベットに倒れる。スプリング効果で私は少々跳ねる。
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
また聞こえた。此れで何千回目。億かもしれない。嫌な気持ち。でも嫌だと呟くには私は余りに弱過ぎる。
この言葉に負けてしまう。大嫌いなのに、私はただぼーとしておきたいだけなのに声は毎日、毎時間、毎秒私を攻め立てる。こうでなければならないと話し出す。
「死ね」
私は声に出してうるさい存在に示したけれど、今私がいる空間に響いた声は私ぐらいしか聞いていない。誰かに聞かれたとしても変わらない。父も母も弟も皆同じような声に苛まれているのだろうか。
「なぜ、なぜ」
私は死にたくなった。生きていくことは本当に難しい。どうして私は私なのに、私の頭の中では私であること、なにかにとっての私であることを請求されなければならない。嫌いだ。そのような言葉、死ね。
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
本当に何もかも関係ないのだ。私は嫌になるけれど、死にたくなるけれど、殺したくなるけれど、この声は何をしようともいつでも唱えられる。だから、だから、だから私は私にならなければならないのだ。嫌だけど。
「死にたい死にたい死にたい」
この言葉は私の独り言。なんの意味も持たない未来に伝わらない戯言。しかし呟かなければ私は生存を認めることは出来ないだろう。たった一つの肉体を携える私はその肉体と精神と知性と思想を認めて存在している。なにか一つ、私の一つもこぼすことなく生きていかなければならない。
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
あぁ本当にいや。あなた、あなたの言葉さえなければ私は幸せに生きていけたのに。
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
認めなければならないのだろう。
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
生きなければならない。
生きなければならない。
生きていかなければならない。
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
さよなら、私。私は私になるから私は私を携えていても私は私に傾注できなくなるから私とともに生きられない。私は好きだった。私が好きだった。
だからさよならを言うよ。挨拶がなければ良い世界は送れないからね。私のせめてもの気持ちだよ。
「さよなら、わたし」
『S.O.S、S.O.S。私です。私が必要です。あなたはあなたでなければなりません。緊急事態です。今すぐ私を示しましょう。そうでなければあなたは直ぐに生命を失います。失います』
君の町
いつか夢見た火舞う陽炎
日本人形胸に抱えて
嘗て浮かべた惜しい深窓
届く日まで初音奏でる
泥に沈んで
鐘を奏でて
君の町へと
淡く滲んで
これから始まる古いアルバム
日本軍人海に沈んで
破壊神話を孕む妊婦を
描くことを拒む芸術
海に沈んで
月を奏でで
君の町へと
霞み忘れて
奏で始める夢の新城に
踊り狂う信者たち
狂おう狂わしたまえ
互いに始まりを胸に吟じて
始まらない物語を奏でることはない
歴史の始まりへと僕たちは旅立つ
歌え歌いたまえ
弾け弾けたまえ
消えたまえ沈みたまえ
君の町で祭り奏でよう
いつか夢見た火舞う陽炎
日本人形胸に抱えて
嘗て浮かべた惜しい深窓
届く日まで初音奏でる
泥に沈んで
鐘を奏でて
君の町へと
淡く滲んで