短歌51-60

51.

永遠に

続くと祈る

かくれんぼ

攫われた君

攫われたんだ

『悔悟』

 

52.

蛾が浮くと

親父暴れる

レストラン

花火みたいと

遠目で眺め

『花火のよう』

 

53.

幸せの

あなたの笑みは

朗らかに

人をとかして

世界をつなぐ

『幸せな子』

 

 

54.

お母さん

震えるってね

知らなかった

とても暑いの

喉が渇いた

『初めての握手』

 

55.

振り返る

過去は明日は

アゲハ蝶

愛をちぎれば

彼は離れて

『花占い』

 

 

56.

停滞は

憂える季節

散れる花

愛の佇み

夕日が落ちて

『愛の停滞に非ず』

 

57.

眠る子等

寝室見下げ

飛行船

陸上の亀

空中の鳥

『子供たちのゆめ』

 

58.

寝るごとに

時の流れに

翻弄と

傘をさそうか

雨が降らずとも

『悲しみに雨はいらない』

 

59.

無言しか

受け止められぬ

性ならば

僕に可能だと

抱きしめようか

『無言』

 

60.

鳳凰

嗚咽を守る

堂々と

君は負けない

側にいるから

『友情』