咲いた 咲いたら

花は星が愛する季節を選ぶのに
冬に産まれる君は変わっているよね
痛くて辛くてむなしい季節に
花咲く君は笑えるのかい
誰もが羨む暖かい日差しを受け止めて枯れたくはないのかい
冬なんてきらいだ
生き物はみんな眠っているのだよ
星が眠る季節に君は咲いてしまうんだね
咲いた 咲いたら
君の昼にこんにちは
咲いた 咲いたら
冬の花のように



雪は人が愛する大地を護るのに
冬に馴染んだ君は変わっているよね
やさしい寂しい孤独な季節に
雪破る君は笑えるのかい
誰もが期待し寄り添う未来を受け止めて産まれたくはないのかい
冬なんてきらいだ
生き物はみんな眠っているのだよ
星が眠る季節に君は咲いてしまうんだね
咲いた 咲いたら
君の昼にこんにちは
咲いた 咲いたら
冬の花のように



冬に咲くからと
花は傷つくの
春から離れると
一体誰が決めたの
花は雪に隠れて咲いている
誰もが眠る冬を飾っている
季節は巡る
生命が知らない日々のなかで誰か笑い悲しむ
刻には仲間外れにされた生命が孤独に冬に軋む
雪に胸を破られそうになって
君と出逢うんだ
咲いた 咲いたら
君の昼にこんにちは
咲いた 咲いたら
冬の花のように



冬に紛れ込んだ旅人は春まで生き残らないだろう
冬の花を春は知らない
春と夏と秋は冬を知らないだろう
冬の花は巡るたびに孤独に咲く
それは孤独の友を救う凛々しい美
咲いた 咲いたら
冬の花よこんにちは
咲いた咲いたら
冬の花のように