短歌181-190

181.

笑顔です

痛みと罪と

箱抱え

あなたへ向かう

これは悪かな?

『誰も傷など』

 

182.

ありがとう

楽しいってね

教わった

胸がポカポカ

大人なのにね

『ポカポカ』

 

183.

信じてた

そんなの嘘よ

揺れてるわ

いっしょに飲むよ

どうせ無理でしょ?

『意思が弱い』

 

184.

小腹すき

思い出したよ

いいお店

ちょっと遠出

減らないし、ね

『減るもんじゃないし』

 

185.

黄昏に

お前は言った

最低だ

ここが何処かと

考えたのか

『最低』

 

186.

尊い

伝えようかな

朝の虹

君の背中に

掛かっているのよ

『虹模様』

 

187.

空いてこそ

注いでみるよ

給餌こそ

満ちてゴクリ、

其れこそ希望

『給餌』

 

188.

死ぬほどに

くだらぬことに

目を取られ

馬鹿かお前は

美しい岸

『くたばれ』

 

189.

骨背負う

若い貴婦人

投げキスを

汗伝う頬

夕暮れの墓地

『罪悪感』

 

190.

揺らしたい

僕の脳髄

ぐちゃぐちゃに

シェイクは派手に

生命もたず

『シェイクシェイク』