短歌191-200

191

目をそらす

痛い痛いよ

胸の中

自分だけにも

嘘をつく癖

『嘘、つかないで』

 

192.

皮の空

溜まる憎悪は

空描き

せめて陸でしょ

作戦変えて

『隊長へ進言』

 

193.

伺うと

魔女の菜園

不気味だと

素通りすると

君待ってると

『傾聴のバランス』

 

194.

気味悪い

僕の卑しさ

灰の布

全身覆い

寒く震える

『気持ち悪い部分』

 

195.

痛みすら

慣れ過ぎました

鈍感や

たとえ死んでも

わかんないから

『鈍感』

 

196.

身悶えも

祝福の歌

新世界

笑え叫べや

大男たち

『新世界へ』

 

197.

心中は

美しくない

セレナーデ

もう踊れます

真昼の宴

『新宿パレード』

 

198.

楽しいよ

生きることって

たぶん、よ

手を繋ぐより

夢紡ぐより

『昇天エンジェル』

 

199.

目をそらす

触れ合う小指

雨模様

タイムスリープ

君を目指して

『年上美人』

 

200.

揺れる星

湯気に曇りて

伊達眼鏡

あまりの痒さ

笑い誤魔化す

『苦い、甘い』