詞 11-15

11

「くらげの花」
実りある 誓いの花も
横断の 世の不条理に
さめざめの 時雨にとけて
漂いの 迷子のくらげ

一輪の 美と醜混ざり
満開の 祝福さえも
皮肉だと 笑いも枯れて
誘いの 喧嘩に痛み

これからと 無罪の背中
からかいの 無垢のいたずら
忘れてと 坊主はいった
死にますと 娘は燃えて

くちなしの 花片をかじり
さすらいの 枯葉をあつめ
不愉快の 真っ赤に眠る
おかっぱの 和服に焦がれ

永遠だからと 嘘をついて いつまでも
枯れる恋さえ 理由をつけて 見逃して
枯れたくらげに思い出植えて
咲かせました 枯れることのない
くらげの花
永遠の花
恋慕の花
誓いの花
忘れられないから
無縁と知りつつも
涙を拭いて冷静に
花を咲かせたんです

 

12『odoriko culture』

可憐な衣装が鱗粉散らし
小粋なステップはジョークのように
生誕を舞踊と重ねては
母はブサイクと笑いながら
みんなの声が嬉しくて
あなたの笑顔に喜んで
今日も暗い照明で汗散らし
元気いっぱい弾けます
誰かが楽しいねって思うならば
踊り続けられるのよ

 

13 『36.5という平熱』

途絶えない 緑のやさしさ
過剰な抱擁 お釣りはでない
重なる君の喜び
言葉にできない
始終にもだえて
背中が暴れて
熱い視線ごまかして
君で寝る温度
消えなければ

36.5という平熱
氷も蝶も溶けていく
二人の肌は絡み合い
背中だけの熱意
目や耳や鼻や口でなく
心だけで見つめ合いたい

 

14『夜燕』
流される 深夜高速
形容出来ぬ 夢恐れ
混乱避けて 雑踏へ
焦りの誓い 暴落す
疾る微熱を 爪で散らして
耳を封鎖し 青い瞳よ
青の蛍光 集中す
市民狩られて 真水漏れ
青の散乱 夜燕来ず

 

15.『演奏家の日々』

暗黒の重力に塞がれた道ですらも
自然と耳にする音楽に流される。
人通りの多い路地に腰を下ろし楽器を奏でる。
留めようのない星空に涙も枯れる。
時代に痛めた心に別れを告げる。
そうして何度も夜は明ける。