短歌201-210

201

夢緩く

甘い道のり

千鳥足

消えゆく美声

あぶくの出会い

『さよなら、いい夢を』

 

202

解析度

腕交わしたが

霧覆い

見間違えたと

君は思わず

『自立は以前から』

 

203

夏日差し

川の交流

腕の蝶

花火は軽く

日差しは溶けて

『ショック』

 

204

愛ですか

花の匂いに

敏感で

君生ける薔薇

地球を救う

『バラヒーロー』

 

205

朝起きて

昼ご飯して

一休み

窓辺の夕日

そうか、そうか

『気づくのはいつも遅い』

 

206

しらなんだ

足のサイズが

違うとは

「当たり前でしょ?」

僕は鈍感

『当たり前だ』

 

207

悪夢しか

見ないと女神

錯乱す

夜桜盾に

神風犯す

『錯乱船団』

 

208

砕け散る

恋の面影

ぽろぽろと

金魚鉢に手

突っ込むように

『白昼夢』

 

209

見上げない

庭園の星

堂々と

毒を呟く

女性を見つめ

『笑い、忘れたら』

 

210

狂い咲き

ティッシュの山に

バラが咲く

君はちょん切る

プラモデルだと

『誤解』