花語り

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散りゆく花の名も知れず
気高き丘を登りつつ
見上げる星と舞う桜
誰が見てるか事実と結果を
ああ春に囁く花語り

 

さめざめ震え傘差さず
人去る町に夢沸かず
止まらぬ歌を聴いてくれ
暑き血潮と湿る青空
ああ春に囁く花語り

 

乾いた風に頬は揺れて
待つ友忘れ町を去り
落ちた桜に名はつかぬ
便り届けぬ夢は忘れぬ
ああ春に囁く花語り

 

※誰か故郷は想わざるのメロディにインスパイアを受けて。

https://youtu.be/Y0BLjjUlfwU

 

背中

裏切りばかりを気にしている
人を愛することがこんなにも難しいなんて
いつかその手を離してしまうのだろうか。不安だ。
君が苦境に立ったときに僕は自分の手を安全から切り離すことは可能なのだろうか。
愛はいつだって僕に足りないんだ。自覚しているんだ。
だから約束にがんじがらめになって、窒息死を願っているんだ。
馬鹿だと思うけれどやめられないんだよね。
君が苦境に立ったときに君の背中を守りたいんだ。
倒れた君に何にも考えずに走り出せるんだろうか。不安だ。
愛から遠ざかろうとするんだ。僕を捨てて走り始められるはずだろう。そうだろう。
何もかも予定を立てて、できない僕から遠ざかろうとするんだ。
そういう僕はなんだか滑稽に感じるんだ。

友へ

僕だって口を開けてため息を吐いた。
なんだかそれが不自由のように思えてならなかった。
僕たちはいつだって祈っていた。
何がそこまで僕たちを化石と思わせるんだろう。

ここ自体に溺れるのは、何か勘違いと思えてならない。
どうも首を横に捻りたくなる。
産まれたときはこうやってため息を交換し合うような不幸を頭に思い浮かべてなかったんじゃない?
未来への祈り方が違うのかな。
僕は祈っているのかな。

僕が頭に振りかざしてきた旗の匂いはなんだろう。
何もかも溶けてしまうから、すぐに忘れるんだ
君との思い出も簡単に離れてしまうよ
僕は何もなかったように新しい噂に顔を歪めるんだ
それでも嘘と間違いは離れていかないよね
誰かは笑い、怒って、何もなかったと首を横に振る。
僕は後ろは振り向かない。前を向いて歩く。
だからって、何もなかったとは思わないよ。
大切はその時に抱きしめて、否定しないよ。
離れていかない今までを愛して。

君だって、そうだろう。

虚無にならなくていい

失敗しなくていいさ。求めていくうちに重ねていくもんだから。
負けなくていいさ。勝っていったからって潰れていくもんでもないし。
忘れようとしなくていいさ。大切なものは離れても心に残るんだから。
手放すな。難しく考えないで。ふつうに生きていくことが本当にありがとうって思えてしまうなんてもしかしたら、もしかしたら。
君は虚無にならなくていい。馬鹿だとかくだらないとか判定されるよりも痛い思いしない方がよっぽど良い道なんだよ。
大切に守り抜くべきなんだ。守れなかったからって、悲観的にならなくてもいい。
悪い道へ進むときもあるさ。人間は不確定なんだから、ちょっと負けが続く時もあるさ。
愛していいのさ。たった一度きり、手放せばもう二度と手に入らない人生。
愛してやろうじゃん。価値なんて、自己夢中にならなければ産まれないこの人生。
信号無視して、車に轢かれて死ぬかもしれない。簡単な挑戦で、単純に命を失うかもしれない。
それも人生、これも人生さ。精一杯生きぬいていこうぜ。

涙流すベットで

命が尽きてしまうために不可抗力的に罪を犯してしまおうか。
どのようなネットニュースでさえも、たとえこの身を焼き果ててしまっても、死の向こう側からこちらの世界は覗けないって考えるとどうも気が乗らない。
誰が笑って、泣いたとしても僕自身が根本的に変容するかといわれるとしないんだろうな。首を横に傾げる。
続いて続けていくこの惑星が宇宙のいたずらで何事もなかったって笑わられたとしても、こうしてくだらないことでくすくす笑うしか能がないんだ。
考えることや発していくことがなんらかの結果を結ぶかといわれるとわからない。
半径の狭さに絶望して、慎ましく君と暮らしていくことですらなんだか気の逸らしかたとしては不愉快じゃないの。
どのような命の価値もまったく、一瞬で灰にすらなれないんだ。

燃える夏の心

燃える夏の心が胸の中にある。
留まろうとする、くだらない休憩がいつだって何処へも届かせようとしない。
まだできる。きっとできる。
そう言っているうちに年齢を重ねてしまった。
胸の滞りを吐き出す前に、もう動けなくなるんだ。
走り始めないくせに焦りを吹き出して、何もかも台無しにするんだ。
身に付けた今までと戦わなければ始まらないんだ。
何処へも行けないよ。今ここなのさ。
待ってくれない。止まったら終わりさ。

成り立たない不完全な物語に死ぬな。

此処が終焉じゃないだろう。

もっと始まろうと燃えようぜ。

戦い尽くそうぜ。

挑み尽くそうぜ。

もっと果てへ行きたい。

その心燃やして。

青い翼

抱きかかえて泣いてください
胸に雨が降るならば傘もさします
薄められない分厚い色が混ざる
火傷もいとわないあなたが呼び込んだ
私は色彩に流されても、涙さえ流せない
感情の高まりを押さえ続けている
たった一度きりの人生
感情は破れてしまうのか
一度破れてしまったならば、捨てられてしまうだけ
生きることを永遠と名付けたのはだれ
たどり着きたくもない歌を忘れるのに、深い雨に胸が冷たくなるのはどうして
母親が教えてくれた哀愁の音楽が青色を教えてくれた。
どろどろの感情を肌で受け止めて、考えたい
あなた、わたし、だれか。
ここまでに死んで生きてきたものたちのこころ
咲いて散る。森羅万象諸行無常
乱れも静寂も受け止めて、わたしは雨の深いビル街で無人の道路に立ちすくむ。