友へ

僕だって口を開けてため息を吐いた。
なんだかそれが不自由のように思えてならなかった。
僕たちはいつだって祈っていた。
何がそこまで僕たちを化石と思わせるんだろう。

ここ自体に溺れるのは、何か勘違いと思えてならない。
どうも首を横に捻りたくなる。
産まれたときはこうやってため息を交換し合うような不幸を頭に思い浮かべてなかったんじゃない?
未来への祈り方が違うのかな。
僕は祈っているのかな。

僕が頭に振りかざしてきた旗の匂いはなんだろう。
何もかも溶けてしまうから、すぐに忘れるんだ
君との思い出も簡単に離れてしまうよ
僕は何もなかったように新しい噂に顔を歪めるんだ
それでも嘘と間違いは離れていかないよね
誰かは笑い、怒って、何もなかったと首を横に振る。
僕は後ろは振り向かない。前を向いて歩く。
だからって、何もなかったとは思わないよ。
大切はその時に抱きしめて、否定しないよ。
離れていかない今までを愛して。

君だって、そうだろう。